トラブルの影響は忘れられたころにジワジワくる
不適切保育のわんずまざー 元園長の女 830万円搾取容疑で逮捕
不適切な保育実態でこども園の認定を取り消された姫路市の私立「わんずまざー保育園」の問題で、市から給付費約830万円をだまし取ったとして、姫路署は31日、詐欺の疑いで、元園長の女(47)を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、元園長は園児の数を水増しし、市などの給付費や補助金をだまし取った疑いが持たれている。
同市は昨年4月、元園長に対する詐欺容疑の告訴状を姫路署に提出。同10月には、定員を超えて受け入れた園児に流用した給付費など約4700万円の返還を、元園長に求め、元園長は期限までに支払っていた。(2019年1月31日 神戸新聞)
この事例の問題が発覚したのは、2017年3月です。今から約2年前なのですが、ようやく元園長が逮捕され、これから検察庁の取調べを受けるという段取りになったわけです。
マスコミやネットなどの世間は、事故発生直後にもっとも騒ぎます。そして、事件や事故の責任などを審議は世間が関心を別のものに移ったときに始まります。
世間は騒ぎ立てませんが、事故の当事者にしてみれば、ここから本番が始まるのです。世の中としては、終わっている問題でも事故の当事者は終わりたくても終われないのです。
これと同様にこれから本番を迎えるのが、日本大学のタックル問題です。今年の入学志願者は同大学の危機管理学部にいたっては、前年比87%減少しています。おそらく、今年は定員割れすると思いますし、そもそも受験料は大激減するでしょう。
本来なら入ってくるお金が入ってこないという状況で、大学全体を回さなければならないわけですが、あいにく日本大学は日本トップレベルの規模を誇っています。規模が大きいということは維持するだけでも大きな資金が必要になるということです。
これからジワジワと真綿で首を絞められるような日々が、今のところ、永遠に続くのです。「今のところ」という表現をしたのは、「事故対応が完全に終わっていない状況で」という意味です。日本大学のタックル問題に対しては同大学は時間切れ引き分けを狙っていたと思うのですが、現在の日本では、それは不可能です。
トラブルに対しては、完全に対応を終わらせなければならないのです。記者会見で、「日大ブランドは落ちません。あなたに心配されることはありません。」と広報担当者が言っていましたが、大暴落していますし、まだ落ち続けています。
2020年3月には危機管理学部から最初の卒業生が出てきます。彼らをどのような企業や行政が採用し、彼らがどのような危機管理を社会に対してしていくのか、危機管理の一専門家としてはとても楽しみにしています。
みなさまも事故やトラブルが起こった際には、徹底的に対応しておくことをお勧めいたします。対応方法がおわかりにならなければ、弊社にご相談ください。どこまで対応しなければならないのかは、来週の金曜日のブログでご説明いたします。