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事件

職員の飲み物に異物混入は珍しいこと?

職員の飲み物に異物混入は珍しいこと?

 練馬区は30日、区立保育園で、職員の40代女性がペットボトルの水を飲み、一時意識を失って救急搬送されたと発表した。水から洗剤の臭いがしたことなどから、異物が混入された可能性があり、警視庁石神井署が傷害容疑などを視野に、ペットボトルの中身を鑑定するなどして調べている。
 区や署によると、29日正午過ぎ、女性が職員用休憩室の冷蔵庫に入れていたペットボトルの水を飲んだところ、急に気分が悪くなり、意識を失って倒れたという。女性はその後、意識を取り戻し下痢などの症状を訴えているものの、快方に向かっているという。
 園長がペットボトルに残った水の臭いをかいだところ、休憩室の流しに置いてた食器用洗剤に似た臭いがしたという。ペットボトルには女性の名前が書いてあった。(2018年5月31日産経新聞)

 保育園での異物混入というと、給食の中に虫が入っていた、何かの破片が入っていたなどよく聞きますが、職員の飲み物に何か混入していたという話はそんなに聞かないと思います。休憩室の冷蔵庫ということから、自然に入ったということも考えづらく、世の中は意図的な犯行だと見ると思います。

 そして、内部の犯行ではと疑う人が複数いるのではないでしょうか。危機管理の仕事をしている我々にとってみると、実は職員の飲み物に何か混入しているということは珍しいことではありません。ご自身の園で同じような問題が起きたときは、まずはアイギスにご相談ください。そして、意図的な異物混入は予防のしようがありません。    

 外部の犯行であれば、外部が入れないまたは人の目があるところに飲み物をおいておくということができると思います。内部の犯行を防ぐために効果的な方法はそんなになく、できるとするなら人が常に2名以上いる場所に冷蔵庫を置き、そこから出し入れさせるというくらいかもしれません。もしくはこのような記事が出るたびに、出来心でやったことが大問題に発展するのだということを異物混入に限らず職員全員に意識づけをしていくことではないでしょうか。

2018.06.04