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アンガーマネジメント!?

アンガーマネジメント!?

別の園児2人にも暴行容疑 兵庫・尼崎南署 こども園元教諭を追送検

 兵庫県尼崎市の認定こども園「めぐみ幼稚園」で昨年12月、女性教諭が園児を暴行した事件で、尼崎南署が、傷害罪で起訴された同園の元教諭(41)=懲戒解雇、公判中=を別の園児2人への暴行容疑で追送検していたことが5日、同署への取材でわかった。2月20日付。

 同署などによると、被告は昨年11~12月、園内の教室で女児(2)と男児(1)に両頬を持って体を揺さぶるなどの暴行を加えた疑いがある。

 同園によると、飲み物を飲まなかったり、泣き止まなかったりしたことが理由の可能性がある。同園は今後、第三者委員会を立ち上げ、再発防止に取り組む。同園は「本当に申し訳ない。安心してお子さんを預けていただけるよう努力したい」とコメントした。

 同署は昨年12月、2歳児クラスの男児の両頬を殴ったなどとして傷害容疑で同被告を逮捕。その後、園内の防犯カメラ映像を精査し、別の園児への暴行が発覚したという。(2018年3月6日 産経新聞)

 園児への暴行は、保育園でも幼稚園でも、認定こども園でも発生しうる事件です。しかも、これらの虐待事件を施設が予防することは、不可能です。それは、ある個人が意図的に園児を傷つけるからです。

 職員の相互監視によって防ぎましょう。とか言ったとしても、死角を見つけ、そこで意図的に行うので、予防は不可能。虐待事件が発見できたらラッキーというべきでしょうか。そのくらい予防も発見も難しいのが虐待です。

 最近、アンガーマネジメントという手法が注目されており、世の中にも浸透してきました。この手法を学べば、感情のコントロールができ、虐待事件も減るのでしょうか。私はある一定の効果はあると思いますが、根本的な解決にはならないと思います。

 私が園児が虐待された現場で出会った虐待する職員の特徴をいくつかあげます。

 ①目の前の現実を受け止めきれない。

 ②自分勝手な責任感(正義感)が強い。

 ③上に弱く、下に強い。

 このような特徴があります。私は、特に①において特徴的だと考えます。

 現実を受け入れられずに、自分にとって都合の良い事実に書き換えようとする。その結果、正しいのは自分で、間違っているのは相手や周囲。ということになってしまう。という図式に思えます。

 だから、泣いて言うことを聞かない園児が間違っており、熱心に見ている自分に過失はない。と考え、泣いている事実を攻め、力でねじ伏せようとするのでしょう。

 優しいと弱いは、違います。他人に優しくするためには、自分が強くなければならないし、自分に対して厳しくならなければなりません。そのためには、普段の心がけから変える必要があると思います。迷ったときには、正しい方ではなく、他人や周りに優しい方を選択できるようになれば、良いのではないでしょうか。

2018.03.09