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事件

事故後対応は正しいことを正しく行うことが最重要

事故後対応は正しいことを正しく行うことが最重要

障害者施設で虐待 警察OBが証拠隠滅か

 栃木・宇都宮市の障害者施設で、入所者の男性を暴行したとして職員らが起訴された事件で、施設を運営する社会福祉法人の幹部で、栃木県警OBらが、内部調査の資料を処分した疑いで逮捕された。

 証拠隠滅の疑いで逮捕されたのは、障害者施設「ビ・ブライト」を運営する社会福祉法人の幹部で、元栃木県警警部補のA容疑者(69)とB容疑者(58)、当時の施設長のC容疑者(56)の3人。

 A容疑者らは、「ビ・ブライト」で、職員の女らが入所者の男性を暴行した事件で、内部調査で暴行があったことを把握したものの、内部調査の資料を処分した疑いが持たれている。

 逮捕前、A容疑者は、「(防犯カメラが一部消えていた?)録画されていなかった。以前から録画されたり、されなかったり。意図的に消したっていうのは、ちょっとないと思います」と話していた。

 暴行があった前後には、施設の防犯カメラの映像が消えていて、警察は、故意に消された可能性も視野に調べている。(2017年10月4日 ホウドウキョク)

 事故が発生したときにもっともしてはならないことは、その場しのぎの対応をしたり、取り繕ったりすることです。

 特に警察が取り調べ等にきたときには、協力的に対応し、真実を話すことが大切です。

 なぜならば、事実を隠してもいつかはバレますし、矛盾が生じるものです。特に証拠となる記録などを改ざんしたり、捏造したり、隠滅したりするのは、命取りになります。

 事故や事件を起こしただけでも大変なことをしているのに、そのうえ、証拠捏造などで新たな罪を意図的に重ねるのは、自分たちにとって、望ましい結果にはつながらないのです。

 今回の事例では、取り調べる側の警察OBが、取り調べられる側になると、証拠隠滅を図っています。これは、人間の本質をよく表しています。

 追い詰められたとき、人間は無意識に自分をかばう行動に出ます。証拠隠滅や改ざん、保身や嘘などは、この無意識な行動から出てくる現象なのです。

 しかし、このような行動は自分たちを不利な状況に追い詰めます。そういう状況を避けるためにも、意識的に自分をかばう行動をしないようにコントロールする必要があるのです。

2017.10.27