4月にヒートショック死する若者たち
ヒートショックとは、急激な温度の変化で身体がダメージを受けることです。
入浴中に亡くなる方が全国で年間約1万4000人と推測されています。その原因の多くはヒートショックである可能性が高いといわれています。
ヒートショックとは、冬場の浴室で起こる現象で、暖かい居間から寒い風呂場へ移動するため、熱を奪われまいとして血管が縮み、血圧が上がります。
そして、お湯につかると血管が広がって急に血圧が下がり、血圧が何回も変動することになります。これは寒いトイレでも似たようなことが起こりえます。
血圧の変動は心臓に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中につながりかねません。ヒートショックの予防のため、脱衣所やトイレを暖めることが有効です。(日本医師会HPより抜粋)
今回のブログは、4月にヒートショックで死亡する若者が増えるので、お風呂に入るときは若い方も気をつけましょうね!というお話ではありません。若い方が死亡なさるのは、実社会の中で、社会的に死亡するということを意味しています。
これは保育界に限らない話なのですが、4月からの新社会人が社会になじめずに、自宅に引きこもってしまう方がある一定程度存在しているという話です。そして、その若者たちは、社会に定着できずにいわゆるパラサイトシングル(親のすねをかじって実家に寄生する独身者)になる傾向が高いように思います。
この社会的ヒートショックの原因は、暖かい(ぬるま湯的な)学生生活から、極寒の社会に放り出されるために起こる現象だと思います。働き方改革やハラスメント防止というような労働者にとって良い条件が整いつつある現代社会においても、学生生活からの温度変化を比べれば極寒だと思います。
ヒートショック死しない対策として、風呂場では脱衣所を暖めて、浴室との温度変化をなだらかにするという方法が有効ですし、実現可能ですが、社会では無理です。職場を学生生活のようなぬるま湯にするのは、企業に倒産しろといっているようなものだからです。
では、どのような対策が有効なのでしょうか。それは、学生生活の方の温度を下げることによって、社会との温度差をなくすという方法しかないでしょう。今、どこの私立大学も短大も専門学校も少子化の影響で存続が危ぶまれています。公立の大学だからといってもその状況は変わりません。
そういった環境下では、人間力が育成できるような厳しい学生生活を送れるような学校が存在できなくなりました。だからほとんどの大学や専門学校などでは、学生をお客様扱いしており、学校のぬるま湯化はますます進んでいるのが現状だと考えられます。
大切で、優秀な将来の労働力がそんなくだらないことの犠牲になるのは、忍びないことです。ぜひ、4月から新人として入って来た人材にはヒートショック死しないような指導方法を今から考え、準備しておいてください。それが、未来の組織のためにもつながると思います。