事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
危機管理の在り方を専門家が語る

これからの保育に必要なこと

これからの保育に必要なこと

 園の行事に関して、昨年と同内容の行事を実施できているという園はどれほどあるのでしょうか?

 おそらく、多くの園は新型コロナウイルス対策として昨年と同内容の行事を実施できていないのではないでしょうか?

 緊急事態宣言が解除された5月31日(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県以外の道府県については、同月16日)から2ヶ月間位までは、園行事を新型コロナウイルス対策のため中止したとしても、保護者の方はやむを得ない対応だとして、比較的容易にご納得してくださっていたと思います。保護者の方としては我が子が楽しみにしていた園外のお泊り保育が中止になってしまったとしても、この時期だから仕方がないと、自分に言い聞かせるようにご納得してくださっていたのだと思います。

 ここで、皆さまに質問です。8月も終わろうとしている今、保護者の方の園行事の中止に対する心境は7月までと同じだと思いますか?

 私は保護者の方の心境は変化していると思います。

 社会生活が自粛自粛ではまわらないため通常勤務に戻り、いわゆる新型コロナウイルスの第二波においても新規感染者数が減少に転じ(東京都の第二派の最大新規感染者数は8月1日の472人であるのに対して8月24日の新規感染者数が95人)、新型コロナウイルスとはワクチンができるまでの長い付き合いになると多くの方が理解し始めている現状では、新型コロナウイルス対策として園行事を中止したとしても、新型コロナウイルスを言い訳にして、園として子どもの貴重な経験や思い出を作る為の努力を一切していないのではないか、工夫をすれば園行事を中止する必要はないのではないか、と考える保護者が多くなっているのではないでしょうか?実際、弊社にも同様の保護者からの意見がよせられています。

 園でクラスターが発生してしまったらどうしよう、というご不安は理解できます。しかし、園行事を中止にすれば園でクラスターは発生しないのでしょうか?そんなことはありません。保護者が職場の新型コロナウイルスを園児に感染させてしまう可能性があります。職員が通勤途中に新型コロンウイルスに感染してしまう可能性もあります。保育施設は集団保育をする場です。人が集まる場で感染症の進入を防ぐことは不可能です。実際、厚生労働省から発表されている【保育所における感染症対策ガイドライン】では、「保育所内への様々な感染症の侵入・流行を完全に阻止することは不可能です。このことを理解した上で、感染症が発生した場合の流行規模を最小限にすることを目標として対策を行うことが重要です」と記載されています。新型コロナウイルスに関して「流行の規模を最小限にする」とは、新型コロナウイルスの感染者が園内に出たら、保健所の指示に従い、必要がある園児、職員がPCR検査を受け、行政の指示に従い園の休園等の対応をとることです。

 上記のような、社会や保護者の方の心境の変化を前提に、無計画に園行事を実施または中止するのではなく、どのようにすれば園児に貴重な経験や思い出を残せるのかを職員間で話し合ってみてください。園児に新型コロナウイルス渦だからこそ、こんな楽しい思い出ができた、といってもらえるような保育を提供できれば最高ですね。

2020.08.26