事故・トラブル最前線

事故・トラブル最前線これからの時代の園経営や
危機管理の在り方を専門家が語る

さいたま市プール事故裁判①

さいたま市プール事故裁判①

 2017年さいたま市の保育施設のプールで園児の死亡事故が発生いたしました。先週の金曜日にこの事件の第1回公判が実施されました。私はその第1回公判期日を傍聴してまいりました。この事故は内閣府からガイドライン(教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン)が公表されてから始めてガイドラインに記載されているプールの実施体制を怠って起きた事故のため、今後の保育業界の危機管理および危機管理体制の大きな指針になる裁判になります。そのため、世間の注目が高いのではないかと予想し、裁判所の傍聴席に座るためには高倍率の抽選を勝ち抜かなければいけないと考え弊社はスタッフ3人で裁判所に向かいました。しかし、フタを開けてみれば傍聴席の抽選は行われず弊社スタッフ3人全員で裁判を傍聴することができました。それどころか、傍聴席にある記者席には1人の記者も座っていませんでした。保育業界の危機管理、危機管理体制についての関心の低さに気を落としながら、我々が保育業界の危機管理、危機管理体制についてより一層貢献していかなければ、と覚悟を決める機会になりました。

 さて、今回の事故ですが裁判で起訴されている者は2名います。ガイドラインに記載されている安全体制を実施していなかった元園長先生とガイドラインに記載されていることを行わなかった元職員です。元園長先生の立場の者が有罪になったことは過去にはありません。

 検察官がどのような事実に基づいて元園長と元職員を起訴したのか。事故のあった日プールの側に少なくとも3人の職員がいたにも関わらず起訴された職員が1人なのはなぜなのか、衝撃の事実が裁判を傍聴することでわかりましたので、これから毎週このブログでみなさまにご報告してまいります。

2019.10.09